767という、実用的には大変優秀な飛行機は、撮影的にはけっこう厄介である。
その凡庸な見た目のせい(逆に言えばTHE 飛行機といった風貌)もあるが、離陸時のパワーが強すぎてどんどん上がって行ってしまうから、腹がちの構図になりやすい。
羽田のひねりにおいてもそれは言え、地点ではなく一定高度到達で旋回を始めるため、撮影ポイントから見ると小回りされてろくに撮れない。
これはだいぶ善戦したほうで、767的には大ひねりともいえる。しかし硬そうな翼が余計にひねらなさを演出してしまう。
小回りするとたいていはこのような構図になる。
こういうのが好きな人もいるだろうけど、目指すところはこれではない。
せっかくのウィングレット機だけど、767である以上、これはもう宿命だ。
777か787、またはA350が入る新千歳便はひねりの狙い目だが、フライトレーダーで767だと知った瞬間にテンションが落ちる。767に罪はないのだが…。
だからひねりより、767はこういう風に撮ったほうが絶対いい。
もちろん適切なポジションでひねりを狙えたら格好いいだろうけど、なかなかそういう場所もない。
勝手に期待して勝手に落胆されるのは767的にもたまったもんじゃないだろうから、ここは撮影者として、その特性をいち早く理解することが重要だ(重要でも何でもないけど)。