自分にも確かにそんな時期があって、その中で培ったものは数え切れない。
休日の朝、洗車をしていると近所の男の子がスーツ着て、家の前で記念撮影をしている。
そうか、あいつ大学卒業か・・・。一個下だもんな。
そういえば俺にもそんな年の後輩がたくさんいる。
きっと、みんな同じ気持ちなんだろう。
所用で出かけた帰り道。思わぬ渋滞にイライラする。
ほら、電話がかかってきた。
「後輩」ではないけど、今年卒業するヤツだ。
呼ばれもしないのにいくのは気が引けるけど、呼ばれたからには行くべきなのか。
渋滞で停車したこの愛車を飛び出して、靴紐も気にせずに全力で駆け出して・・・
といった具合に気合を入れることは出来なかったが、何とか宴のクライマックスに滑り込むことができた。
登場シーンで名前を叫ばれて歓迎される割りに、終わる頃には端に追いやられてみんながグダグダしてるのを見守る。
いくら立派に成長しても、ここに帰ってくるとグダグダのしょうもない人たちになる事ぐらい、知ってるよ。
どうかみんな、変わらないで。またいつか会えるんだから。
