行きつけの歯医者は日曜も診療している、というのが不幸中の幸い。
で、飛行機の写真をアップする前に、2人のおじさんに登場いただく。
1人目は、下総基地で会ったリタイヤ組のおじさん。
例によって｢何ミリのレンズですか｣に始まり、流れで一緒に撮る事に。
昔は息子さんとよく一緒に来ていたそうだが、最近は一人で来ることが多くなったとのこと。
飛行展示が一段落するたびに、「どうでした？」「この場合はどう撮ったらいいのかねえ？」と、本当に嬉しそうに話しかけてくる。
わからない事は聞き、逆に昔はこういうことがあったんだよ、と興味深い話もしてくれた。
多分・・・だけど、息子さんと私を重ね合わせていたのかもしれない。
こちらも、楽しく過ごさせていただきました。
2人目は、基地祭後に立ち寄った夜の成田で会ったおじさん、じゃなかった、ジジイ。
またしても「何ミリですか？」から始まるのだが、カメラは持っていない。昔は撮ってたそうだが、難しくて辞めたとか言ってた。
これがまた曲者で、こっちがファインダーを覗いている=撮影しているくらい分かるだろうに、いちいち話しかけてくる。
夜はただでさえシビアな条件なのに、集中できない。
早い話が｢邪魔｣なのだ。
カメラを持ってない人に声をかけられることも多いが、人が撮ってる時にもお構いなしに話してくるなんて初めてだ。
しかも話の内容がいちいちセコい。飛行機の話題なのだが、初対面の人に話すようなことでもないような方面の話だ(カネとかその辺の事ね)。
「はあ、今夜は外れだな･･･。せっかくの南風なのに」と、諦め半分モード。
で、ついにこの温厚な俺をぶちギレさせる発言。
「事故とか起こらないかな。みんなああやってカメラ構えてるけど、決定的瞬間を撮るためなんだよ。」
とほざきやがった。
はあ？何なんだこいつは。
あまりの非常識発言に、首根っこつかんでやろうかと一瞬よぎったが、いちいち反応するのも疲れ果てていたし、「事件」になってしまっては仕方がないので、完全にガン無視に徹することにした。
そのうちに、どこかに行ってしまった。
きっと、心が貧しい人なんだな。
人が心底楽しんでいることに対して、そんなふうにしか考えられず、しかもそれを口にするなどと。
その上、タバコをポイ捨てしていたので、私が正しい吸い方を実演してやった。
灰皿のあるところまで行き、終わったら火を消して灰皿に入れる。簡単なことだ。
その後はいちおうちゃんと吸ってたみたい。ええ、よくできました。
この2人は、見た感じ同じくらいの年である。
比較することは全く無意味だが、ひとつ考えたのは、年をとるごとに生き方って表れてくるものなんだろう、ということ。
これはもちろん自分にも当てはまることだし、他人との接触がある以上、何らかの印象を与え続けているはずだ。
生き方なんて結局は自分がよければいいという考え方もあるが、他人からも「いいな」って思われるのなら、それに越したことはない。
少なくとも、いま生きている姿勢の結果が、初対面の人に余計な不快感を与えるようなことはしたくない。
そんなことを考えた1日でもあった。
あのときの「楽しさ」と「怒り」が冷めないうちに、書きとめておくことにする。
